『それでも麻子は毎日のように自分の性癖に勤しんでいるようだった』

*久しぶりに書きますが、麻子は自他のマウスピースフェチです。

そして良い名家のお嬢さんだったりします。

18歳の学生、ボクシング部

 

麻子は漫画のようにシャープペンシルを上唇と鼻の間に挟んで頬杖をついていた。

(最近刺激が無いなぁ)

そう思いながら紫外線殺菌庫の中にある、とても大きな自分のマウスピースを見る。

こだわりの特徴、紫外線殺菌庫の中に入れているのは洗わず唾液を染み込ませる為だ。

どんどん臭くなり、この大きなものが自分の口の中の歯並びのいぶつさを型どっており

それがボクシングのスパーリングで殴られて変形している様は見ているだけで興奮する。

(紫外線殺菌庫でも維持が限界だし、ここで大きなスパーリングするかな?)

麻子は頭が良く、宿題はすぐに終わらせてしまうのでここ数日はこのような事ばかり

考えている。

 

翌日になり、部活の時間が近づいて来てもどうも気分が張れない。

「麻子さん、試合を見てもらえますか? 悪い所が有ったらどんどん言ってください」

「麻子さん、今のシャドウ、どうでした? 変じゃなかったですか?」

女子ボクシングの部活時間になり、後輩が次々と聞いてくる。

的確な指示を出すがやはり楽しくない。

(私もまざってボコボコにされて無様にダウンして……)

そればかりを考えている。

「あれ? 顔色悪いですよ先輩」

明るく崎山 仄(さきやま ほのか)が声をかけてきた。

 

(ね、麻子さんってレズ、それともただのM?)

ひそひそと耳打ちされる。

麻子は来た! と思った。ひょっとしてスパーでもしてくれるのだろうか?

Mだから殴るっていう形がいいのかな? 良かったら部活終わってどうですか?

麻子の心臓が嬉しさに跳ね上がった。

 

リングの上へトップレスでお互い純白のパンツ姿の麻子と仄が向き合っている。

「やっぱり3年生になったら受験も色々あるわけであって……ウサバラシしたいけど

そこらへんの人間捕まえて殴るのは駄目。そこで麻子さんとスパーしようと思ったの。

「そ、そ、うなんだ」

「だってさ、あなたMなんでしょ? 流石に有名よ?」

「う、うん、Mだと思う」

「そして自分の愛用マウスピースが凄いでしょ?使い込まれて洗わずに使ってるなんてさ」

「うん、これで3号なんだけど、唾液がいっぱい滲みてるんだ……」

「はぁ唾液ぃ? そんなにお上品な言い方せずに、唾って言っちゃえばいいのに」

既に言葉攻めから始まっていた。

「あの、いちおう家が厳しいんで言葉遣いには気を付けないと……」

「それはもう今となっては意味は無いわね。この秘密の特訓は誰も知らない。

私と麻子が同意して部活後に色々これからの事について話し合いするという事で

先生には使用許可書をもらったんだから。

「そっか……」

「だから汚い言葉を使っても許されるって事。お互い気持ちを発散させようよ! まずは

麻子さんのマウスピース、噂通りか見せてくれない? その手に持ってるのがマウスピースケース?」

「うん、これ」

麻子の手から仄がそれを取り上げてパカッと開ける。

「うわっ、ツバ臭い! こんなに使い込まれたのが好きなの? 匂いだけじゃなくてダラダラに

唾がまとわりついてるじゃない」

天井の照明で麻子のマウスピースはヌラヌラと妖しくぬめり光っていた。

「で、これが口に入るの?」

「うん、頑張れば……とるね」

仄の手から元は純白の黄色いマウスピースを奪い取ると両手で口にねじこみ始める。

マウスピースが圧迫されて足元に唾液がびちゃびちゃと落ちる。

そして全てマウスピースを口に入れた麻子の頬はぷっくりと膨らんだ。

「洗って肉厚マウスピース、た、確かに何とも言えないエロさがあるわね」

仄は少しそのものの良さを認めたようだ。

「それを吐き出させるのは楽しそうねっ!」

仄は赤コーナーの麻子へ襲いかかった。

 

ガシッ!

仄の右フックが見事に麻子の頬に刺さった。

「んぷぁっ!」

麻子の口から唾液がまき散らされた。

「やっぱり打たれたいんだね、ガードが適当すぎる。

ガシッ! バシッ! ドカッ!

フックで攻める。麻子はすぐに眠たい目のようになり息を荒くした。

唾液は既に十分過ぎる程にまき散らされている。

「この量のツバ、マウスピースに染み込んでたのと今出したつばがミックスされてるね、普通の

ツバじゃこんな匂いはしないもの」

仄は笑いながら言った。

「しかし、そんんざに汚くて誰が見ても恥ずかしいマウスピースを使うなんて、相当に変態というか

Mというか、色んな意味で麻子って凄いよね」

そう言われた麻子は顔を紅くして下を剥いた。

「麻子さん、最近オナホって男子たちも買ってるみたいだけど……」

「ん?」

「麻子さんって男子に人気なんだよね? 文通してる男の子がいるのは知ってるから、知られたら大騒ぎね」

「えっ、それは、えと」

「言わないから、ただ私のスパーリング運びに協力して頂戴ね。

バシッ! ドゴッ!

ひたすら麻子は顔面を殴られる。

「うぷごぷっ!」

麻子の妙な声に仄は笑って瓶を差し出した。

「ほらツバを吐くならこの瓶に入れてね!」

「うごっ、ぶへぇ」

ビチョビチョと瓶に麻子の唾液がたっぷりと詰め込まれていく。

「ゲロじゃ駄目だからボディは狙わない。あくまで、あなたのツバが大量に必要だから。

「……な、何で?」

「一部のあんたを好きな男子に、オナホ用のローションとして売りつけるのよ。

「ロ、ローション?」

「そ、オナホでちんこを擦る時の潤滑剤。それがあんたのツバ。結構売れるの予定」

「そ、そうなんだ」

麻子はさらに顔を赤くした。

「嫌がらないのが流石だねぇ。まあ続け冴えてもらうよ」

ドカッ! バキッ!

「うぶぇへっ!」

ビチャビチャビチャ

「凄いねぇ、こんなに唾を吐いちゃうんだ。やっぱりその大きなマウスピースが口の中を

たくさん刺激するのかな?」

「はぁ、はぁ……そ、そうかもしれないけど……」

「けど何?興奮してるんでしょ? 今、お互いにパンツ一枚なんだけどさ、いっしょに右足をあげて

みましょ?」

「右足?」

「いいから上げるのっ!」

「は、はい……」

二人が片足を上げるとパンツの股間の部分がお互いに見える。

「ほら麻子、濡れてるじゃない。おかしいよね?」

「そっそれは」

「自分のツバの匂いとぬめぬめしたツバで男子がペニスをしごいてるのを想像してるからだよね?」

 

 

「……」

「違う? 違うんだったら今すぐスパーリングは中止。私の見当違いだわ」

「……そ、想像してます」

「ほら正直だ。言いたいように行ってごらん?」

「言いたいように?」

「変態の自分をさらけ出してしまいな、その歪んだ性癖をゲロってしまえばいいの……」

「あ……うん、あの、私の口の中のマウスピースをクンクンしたら興奮するし、口から出して

そのいびつな形……猫かぶりの可愛いキャラって言われてる自分の崩れ落ちる姿にも興奮する」

「そのいびつな形、マウスピースね」

「うん……」

「それにしてもごめんねー」

仄は悪びれる様子無く言った。

「殴りすぎちゃった。明日学校で「部活で殴られすぎたって事にしてくれない?」

なんか赤く腫れ上がって醜いし。

「う、うーん」

「じゃ、この麻子特性ローションはもらっていくから、このへんでね」

「……」

「黙ってると怖いな、ちゃんと裏ルートで販売するから」

「い、いや」

「ん? まだ条件付けちゃうの?」

「あの、まだ……やめないで」

「まだ? ツバはもうこの通り、瓶にたぷんたぷん溜まったし。

「だから、ボディとか打ってないし、ボコボコってまだこれからだと思う」

「はぁ……」

仄は溜息をついた。

「やっぱりあんが、本物だわ。

 

どすっ!

仄は突然、麻子のボディを打った。

「うぐっ!」

麻子の口から巨大なマウスピースが顔を覗かせる。

「もうやる所までやっちゃうかね」

どすっ、ぐむっ、どぅっ!

連続でボディを打つと、どんどん麻子の口からマウスピースがはみ出てきた。

「成る程、ボディで吐き出しやすい。ボディは不快感をうけるから自然に口の中の

マウスピースの異物感に吐き気が出るって事ね」

「……」

どむどむどむっ! どむどむどむっ!」

「うぐっ、うぐぅぅぅぅっ!」

麻子が苦しそうにうめく、声がくぐもっているのは大きなマウスピースが口に蓋をしているからだろう。

バシッ! ドカッ!

その中でも麻子の顔面にパンチをお見舞いしながら、仄はひたすら麻子を殴る。

「あーあー、ボコボコじゃん顔、腫れ上がって……これは顧問に言うと怒られるな、やっぱりこの辺で……」

「い、いや、顔の腫れ無くなるまで学校休むから、お願い……ここまでしてもらえる事滅多にないから」

ドスッ! ドスッ! めり……。

「ごはぁっ!」ビチャビチャビチャ

「胃液……じゃないわね、これも唾、あんたの唾の分泌の量って多過ぎだよ、胃液より良いけど」

どすっ、どすっ! どすどす! めりめりっ!

仄に確かな手応えが有ったので少し後退した。

「むぐ、むぐぅっ、むぐ……むぐ」

麻子のマウスピースがニュルニュルを唇を押し上げて吐き出されそうだ。

「だぁぁぁっ!」

めりめりめりっ!」

 

「ブグバッ!」

遂に麻子が巨大なマウスピースを吐き出した。

唾液焼け(?)をして黄色く変色しており、歪な形をしてそれはリングの上をびちゃびちゃと羽回って

ツーンとする臭いをまわりに拡散する。

「……こりゃすごいわ。大きいのもそうだけど、ずっと洗わずに使ってるのもやっぱり本当だったか。

しかもこんなにグニャグニャなんて、本当に特注品なんだね」

「はぁ、はぁ、うん。そう。私は変態だから、変態だからぁぁぁぁぁっ!」

麻子が仄に向かってきた。それは相手を倒すというより自爆のようだった。

 

ぐわっしゃぁぁぁぁぁ!

 

麻子の体が宙に舞う。

 

ズダン! とその体は叩きつけられて麻子はゴボゴボ泡を吹き始めた。

「ありゃー、こりゃ気がつくまで様子見ないとなぁ

仄は座り込んで、巨大で変色をしたフニャフニャで唾液まみれのマウスピースを拾うと

ビニールに入れた。

「あ、う?」

「ああ気が付いた? 麻子」

「いつつ……」

「そりゃ痛いよね、顔面ボッコボコだもん」仄は笑いながら言った。

「試合は終わったの?」

「終わった。それで戦利品は貴方のツバローションとこの年季モノのマウスピース!」

「あ、それ取られちゃうの?」

「学校の裏ルートで売れるからね

「そうなんだ……」

「ほら、上がりが出たら幾らか出すからまたマウスピース特注したらいいじゃん!」

「あ、うん、そうする」

(今日は変な日だったな)

 

換気の為に部室の窓が開いており、西日が強く差し込んでいる。

「あ、忘れてたんだけど」

ふいに麻子は言った。

「な、何?」

「その私のマウスピース、唾液とまぜない方が売れるよ」

「なんで?」

「その……ぐにゃぐにゃしててちょっと大きかったから……。

「ははぁ、これでオナニーしたんだね?」

「そ、そう……で……すから」

「へぇー、余計に高く売れるじゃない」

「そ、そんなもんかな」

「多分ね、唾液の匂いとマ○汁が混ぜられてるって知ったら男のフェチ共は

必死に買ってこようとするはずだからね」

 

 

 

ガラッ!

 

部活も終わり、教室に入ってきたのはごっつい体育教師で女子ボクシング部の顧問だ。

「お前ら、話は全部聞いてたぞ」

(ひっ、問題行動で停学?)

緊張している空気の中

 

「で、それは幾らなんだ!、言いねで言いたまえ!」

教師の言葉に、麻子と仄はコケた。

 

                          END